失敗しない介護リフォーム、費用相場や補助金・助成金について解説

【今回のテーマ】介護リフォーム

東京都品川区に根差して55年、地域密着型の工務店として安心・安全な住まいをお届けするタイホウ建設です。

少子高齢化の今、介護リフォームを検討する方が増えています。弊社にも介護リフォームに関するお問い合わせが多く、中には一人暮らしで施設に入ろうかどうか悩んでいる方もいらっしゃいます。「施設の数が足りなくて入居できない」などの事情はありつつも、実際は「自宅で一生暮らしたい」と希望される方が大半です。

特に品川区は地元に愛着を持つ方が多く、弊社では介護リフォームを通して安心して住み続けられる家を実現してまいりました。

そこで今回は、数々の介護リフォームを手掛けてきた弊社の目線から、失敗しない介護リフォームについて解説していきます。補助金や費用の目安などもご説明するので、将来に備えたい方は是非ご一読ください。

 

 介護リフォームの必要性・タイミング

 

家の中には在宅リスクがたくさんあるので、足腰に不安を覚える方は介護リフォームを検討する必要があります。代表的な在宅リスクとして挙げられるのは、「転倒事故」と「ヒートショック」です。65歳以上の転倒事故の発生場所は77%が住宅ですし、冬場の浴室でヒートショックを起こして亡くなる方は交通事故より多いといわれています。

タイミングの話をすると、要介護認定を受けたときに介護リフォームするのが一般的です。介護認定を受けたら、介護が必要な人・介護をする人の事情をケアマネージャーに伝え、早めに介護リフォームを含めたケアプランを作成してもらいましょう。

 要介護認定を受ければ介護リフォームの費用を補助してもらえますし、要介護2に認定されれば介護リフォームだけでなく、あらゆる費用がかなり安くなります。介護認定の申請は役所の窓口からできるので、気になる方は問い合わせてみるのがおすすめです。

ずっと親御さんと一緒に住むと決めている方は、要介護認定を受けていない内からバリアフリー化するのも重要です。高齢者の場合、転倒がきっかけで寝たきりになることもあるので、将来に備えて早めにリフォームすると良いでしょう。

品川区の場合は要介護でなくても申請できる別の助成金が出るので、親御さんと同居の方は是非早めのリフォームをご検討ください。

 

 

介護リフォームの種類

介護リフォームの種類は「手すりの設置」「床の段差解消」「滑りの防止」「扉の交換」「トイレ」「風呂」などが代表的ですが、どこまでリフォームするかはケースバイケースです。

リフォームの際は高齢者を楽にするだけでなく、自力でできることはできるようにすることも求められます。やみくもにリフォームするとかえって動きにくくなるので、「どこまで自分でやってどこを介護者に任せるか」と判断してもらうことも大切です。

介護される側だけでなく、介護する側の視点に立つのもポイントです。介護しやすい環境を意識すれば、家族全員が暮らしやすい家にリフォームできます。前置きが長くなりましたが、ここでは介護リフォームの主な種類と注意点について見ていきます。

 

手すりの設置


転倒防止のために手すりの設置が必須ですが、どこに設置するかは高齢者の症状や病気に合わせて決めましょう。設置個所や高さによって行動動線が変わってくるので、ケアマネージャーや理学療法士と連携して適切な場所を決めるのが重要です。

今はレンタルの手すりもあるのでどこでも簡単に設置できますし、状態に合わせて交換することもできます。

 

床の段差解消

高齢になるとちょっとした段差で躓きやすくなるので、スロープを設置するなどして段差を解消しましょう。ただし、高齢者の症状によってはスロープで前のめりになってかえってケガをするリスクもあるので、ここでもケアマネージャーや理学療法士と連携するのが大切です。

 

滑りの防止

床材の種類や状態によっては高齢者が転倒しやすくなるので、滑りにくい床にリフォームする必要があります。特に古い階段は勾配も急で滑りやすくなっているので、滑り防止用のノンスリップ等でまずは対応するのが良いでしょう。

 

扉の交換

高齢者が自分で開閉しやすいよう、ドアノブのある扉から引き戸にリフォームできるのであれば、するのがおすすめです。引き戸なら開けっ放しにできるので、車椅子のままで出入りでき介護する人にとってもサポートしやすくなります。

 

トイレ


家が和式トイレの方は、使いやすい洋式トイレに交換しましょう。高齢者が座りやすいように手すりを設置するのも大切です。握力がなくなると縦の手すりでは転倒しやすくなるので、弊社ではL字型の手すりをおすすめしています。

また、トイレのスペースを広く確保することも検討したい点です。トイレのスペースが広ければ車椅子のままでも入れますし、介護する側もサポートしやすく掃除もしやすくなります。

ベッドサイドトイレというものがあるくらいトイレの介護は大変なので、寝室の近くにトイレを作るのも一つの手です。寝室の廊下を短くしたり押入れを潰したりして、トイレに十分なスペースを作ると良いでしょう。一度ご検討ください。

 

風呂


浴槽が高いと転倒の恐れがあるので、またぎやすい高さの浴槽に交換するのが大切です。タイルの場合は滑りやすく冷えやすいので、ユニットバスに交換すると良いでしょう。

 

 

 

介護リフォームの補助金・助成金について

 

介護リフォームの補助金・助成金には、「国の介護保険」と「市区町村ごとの助成金」の2つがあります。

介護保険とは40歳以上の人が加入を義務付けられている保険制度のことで、要介護・要支援の認定を受けたときに介護に必要な費用の一部を国に負担してもらえます。介護保険を利用して介護リフォームの費用を補償してもらうためには、「要介護・要支援の認定」と「ケアマネージャーによる申請」が必須です。

ただし、要介護・要支援認定を受けられなくても救済措置はあります。条件は市区町村によって異なりますが、原則として65歳以上の高齢者で日常生活に不安があれば、要介護・要支援に該当しなくてもリフォーム費用の一部を負担してもらえるのです。

ほかにも、品川区には「住宅改善工事助成事業(エコ&バリアフリー住宅改修)」があり、要介護・要支援を受けていなくても助成金を受け取れます。

このように要介護・要支援を受けていなくても補助を受けられるので、我が家でより長く暮らしたい方は早めに介護リフォームすると良いでしょう。

 

 

介護リフォームの費用相場

 
介護リフォームにかかる主な相場は、以下のように言われています。

 

    有効数字2桁  
  リフォーム工程ごとの費用相場 費用 万円
区分 設置単位 最小 最大
玄関 スロープ 90,000 500,000
  手すり 30,000 100,000
  ベンチ 30,000 80,000
  開き戸から引き戸への変更 200,000 400,000
  滑りにくい床材への変更(円/m^2) 3,000  
  踏み台の設置 10,000 30,000
       
廊下 幅の拡張 400,000 1,000,000
  手すり 20,000 100,000
  段差解消 10,000 150,000
       
浴室 浴室暖房・浴室乾燥機の後付け 100,000 300,000
  浴槽リフォーム(手すりも込み) 400,000 700,000
  床材の張り替え 70,000 200,000
  段差解消 40,000 200,000
  手すり 10,000 70,000
  開き戸から引き戸・折戸への変更 50,000 200,000
       
       
トイレ 開き戸から引き戸への変更 70,000 200,000
  本体交換(新機に替えるだけ) 300,000 500,000
  和式から洋式への変更(本体) 200,000 400,000
  便座の交換のみ 100,000 150,000
  コンセント増設 30,000 ~
  手すり 20,000 100,000
  温水洗浄便座 50,000 100,000
  段差解消 8,000 150,000
  トイレ室内スペースの拡張 100,000 400,000
  トイレ増設 400,000 900,000
  トイレ位置移動 300,000 600,000
       
洗面所 段差解消 40,000 150,000
  洗面台の入れ替え 200,000 500,000
  床材の張り替え 50,000 100,000
  出入り口の拡張 200,000 300,000
  開き戸から引き戸への変更 50,000 200,000
  脱衣スペースの拡張 200,000 400,000
       
階段 手すり 200,000 100,000
  ライト(人感センサー付き) 10,000 20,000
  床材の張り替え(コルク材へ・円/6畳あたり) 300,000 300,000
  昇降機(設置) 300,000 500,000
  昇降機(レンタル) 10,000 ~
       
リビング 開き戸から引き戸への変更 100,000 150,000
  段差解消 20,000 150,000


介護にかかる費用を抑えるためには、介護リフォームと備品レンタルを組み合わせるのが効果的です。特に電動ベッドや電動車いす、階段昇降機、床ずれ防止用具、徘徊感知器、排泄処理装置などは高価なので、購入するよりもレンタルにしたほうが圧倒的にお得です。

 電動ベッドの場合、購入すると3050万円はかかってしまいますが、レンタルなら1,0002,000/月程度で利用できる場合もあります。点検などのアフターサービスもあり症状によっては修理交換もしてもらえるので、トータルでかかるコストを抑えられるでしょう。途中解約もできるので、使い心地を試すことも可能です。

 なお、要支援12、要介護15の方は介護保険でレンタル料金の一部を補助してもらえます。介護リフォームと同様に利用者の負担割合は所得によって決まり、13割負担でレンタル可能です。補助額は認定度合いによって変わり、要介護2以上になると手当が一層厚くなります。要介護2になると電動の物や高価な物が必要になってくるので、レンタル料は必然的に安くなるのが特徴です。

 レンタル品を提供できるのは、「福祉用具貸与事業者」の指定を受けた事業者のみです。このような会社には介護用品のプロが在籍しているので、ケアマネージャーと相談して適切な用具を選んでもらうと良いでしょう。

 

 

介護リフォーム工事に必要な知識


介護リフォームで失敗しないためには、「工務店としての基礎知識」と「介護・福祉に関する専門知識」を持つ業者に依頼するのが大切です。住宅と介護の両方の知識がなければ、介護しやすい家は作れません。業者を選ぶ際は、「福祉住環境コーディネーター」などの有資格者がいるか、確認してから選ぶと良いでしょう。

弊社には福祉住環境コーディネーターが3名在籍し、福祉の専門家と連携して介護リフォームを手掛けています。住宅と介護の両面からコーディネートすることを重視しているので、介護する人もされる人も安心して暮らせる住まいを実現することができます。

 

 

タイホウ建設の介護リフォームへの取り組み


弊社では、「工事に必要な知識」と「介護する側の観点」を意識してこれまでに数々の介護リフォームを手掛けてまいりました。長く健康に暮らすためには、手厚いケアだけではなく、自立との兼ね合いが重要です。

例えば、弊社では息子さんが車椅子というご家庭の大規模リフォームを手掛けた経験があります。リフォームでは1階を息子さんが使いやすい間取りに変え、2階を憩いの空間に変更。トイレ・洗面・浴室は広くして介助しやすくした結果、「暮らしやすい家になった」と大満足の声をいただきました。

このように自立と介護のバランスを取るためには、ケアマネージャーや福祉器具メーカー、行政の担当者など介護福祉の専門職の方々と連携が必須です。

介護リフォームは手間がかかりますが、弊社では自社で独断せず信頼できる専門職の方々と連携して安心な家づくりに積極的に取り組んでまいりました。 

高齢者の方の負担をさらに減らせるよう、今では介護福祉用具のレンタル事業も行っています。今後もより長く安心して暮らせる家づくりに取り組んでまいりますので、住環境に不安がある方は地域密着のタイホウ建設にお気軽に相談ください。

 

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