築30〜40年の古い家の耐震補強にかかる費用相場はいくら?優先的に補強すべき箇所も解説!

今回の記事では、耐震補強が必要な家や、費用、補強すべき箇所について詳しく解説します。築年数が築30〜40年が経過した古い家にお住まいで耐震性に不安を感じている方は、ぜひご一読ください。

耐震補強が必要な古い家の定義とは?


耐震基準は建築基準法によって定められています。この建築基準法は時代によって改正されていて、特に1981年(昭和56年)に大きく見直されました。1981年以前の耐震基準を「旧耐震基準」、1981年〜1999年の耐震基準を「新耐震基準」といいます。

1981年〜2000年の間に建てられた「81-00木造住宅」(ハチイチゼロゼロ)と呼ばれる建物は、新耐震ではあるものの、2000年に改定された現行耐震基準より耐震性能に不安が残ります。

これまで国や多くの自治体が方針として進めているのは「旧耐震(1981年以前)」の木造住宅の耐震化でしたが、2016年に発生した熊本地震で最も大きな被害が出た益城町で行われた調査によると、「81-00木造住宅」で倒壊した木造住宅が2割にのぼることが分かりました。

それから「81-00木造住宅」においても耐震強化が必要だという認識が強まってきました。

「新耐震基準の家だから大丈夫」という認識は過去のもの。1999年までに建てられた家=『古い耐震基準』で建てられた家と捉えるようにしましょう。

築30〜40年の古い家の耐震補強にかかる費用相場

耐震補強工事では、耐震診断を行ったうえで耐震補強計画を立て、それに合わせて工事を進めていきます。この章では工事個所別に耐震補強にかかる費用について詳しく解説します。

【工事箇所別】耐震補強にかかる費用とは

耐震補強では、基礎、壁、柱、屋根の4つを耐震補強するケースが多いです。また、耐震診断に10〜40万円ほどかかります。

①基礎の耐震補強

費用相場は20〜30万円です。ただし、工事の規模によって費用が高くなることもあります。特に1971年以前に建てられた建物は石の上に柱を建てる「礎石建て」の場合があります。耐震性の面では「布基礎」に改修することが望ましいですが、その場合、大規模な工事になります。

②壁の耐震補強

費用相場は1箇所あたり9〜15万円です。壁も地震や台風の横揺れを抑えるために重要です。特に大きな窓があったり、16畳以上の広い部屋がある場合は耐震補強が必要です。

③柱

接続金属で補強するだけでも良い場合、1か所あたり5〜20万円ほどが相場です。また、朽ちた部分のみの補修は1か所あたり1〜5万円ほどです。しかし、柱全体が老朽化している場合は大規模な補修が必要となるため、基礎も含めて100〜300万円ほどかかります。

④屋根

屋根の葺き替えでは1㎡あたり5〜7千円ほどが相場です。総額80〜150万円ほどを見積っておくと良いでしょう。築40年以上の住宅では、重い和瓦やトタン屋根であることが多いです。重い屋根は耐久性を下げるため、補強工事では軽い「スレート」という屋根材に交換するケースが多いです。

補足:築年数は費用にさほど影響を与えない

確かに築年数が古くなるほど耐震補強の費用は高くなる傾向があります。しかし、実は築年数よりも建物の状態によって費用が左右されます。

例えば、古い建物でもきちんとした工務店が建てていた場合は大がかりな補修が必要なかったこともあります。反対に、築年数がそこまで古くなくても、手抜き工事があった場合は、補修箇所が多くなり、費用もかさんでしまいます。

また、メンテナンスの有無も建物の状態に影響を与えるので費用に差が出ます。特にシロアリ被害があった場合は家の耐久性が著しく低下しているケースが多く、耐震補強はもちろん、シロアリの駆除や消毒も必要となります。

築30〜40年の古い家に耐震補強が必要な2つの理由

1,建築基準法が見直されたため

建築基準法は地震などの大きな災害が起きるたびに見直されています。特に1978年に発生した宮城県沖地震がきっかけで1981年に新耐震基準が制定され、1995年の阪神淡路大震災がきっかけで2000年に現行基準が設けられることになりました。

2,老朽化により耐震性が低下しているため

また、耐震基準に関係なく、古い建物は老朽化している可能性が高いです。老朽化してしまうと、耐震性も低下します。

特に外壁や基礎にヒビが入っていたり、扉の建付けが悪くなっていたり、家が傾いていたりする場合は要注意です。

築30〜40年の古い家で優先的に耐震補強すべき箇所とは


基本的には、耐震診断の結果に合わせて耐震補強を行っていくことになります。

古い家で、特に優先的に補強すべきなのは壁です。壁は地震や台風の横揺れを軽減し、建物の倒壊を防ぎます。耐力壁の耐震補強をすれば、建物の評点1.0の合格ラインに引き上げることができます。

「かべつよし」による耐震補強壁

壁の補強を計画すると同時に

・床下の基礎の部分

・屋根

・柱

など、どの部分の補強が必要かを決めていきます。

例えば、シロアリが発生している場合はシロアリ対策や湿気対策が必要です。また、床下が土であればコンクリートをいれたり、予算がなければビニールを入れて湿気を抑えたりします。

また、1500〜2000万円ほどで内装も含めて全面リフォームを行いたいと要望する方も多いです。この先20年、30年住んでいくつもりであれば構造から作り直すリフォームを行い、間取りや設備を見直すのもおすすめです。

築30〜40年の古い家の耐震補強で費用を抑える2つの方法

補助金・助成金を活用する

特に築40年を超えている木造住宅を耐震補強する際は、地方自治体の補助金を活用できるケースがほとんどです。補助金の対象を「旧耐震基準で建てられた木造住宅」としている自治体が多いためです。

また、今年から、東京では「81-00」と言われる1981年〜2000年の間に建てられた建物の耐震補強に対する補助金が正式に決定しました。タイホウ建設が拠点を置く品川区でも同様の制度が検討されています。

補助金制度の要件や支給額については自治体によって異なります。詳細はお住いの自治体のHPを確認してください。

減税制度を活用する

旧耐震で建てられた木造住宅であれば、自治体の税制優遇制度を利用できる可能性があります。耐震補強工事を行い、一定の要件を満たした場合は所得税や固定資産税が減額されます。要件や支給額は自治体によって異なるので、詳細はお住いの自治体のHPをチェックしてください。

築30〜40年の古い家の耐震補強での業者の選び方

家の構造を熟知している業者

耐震補強工事では、家の構造をいかに理解しているかが重要なポイントです。そのため、家の構造をきちんと把握している建築経験のある業者、できれば新築工事の実績もある工務店がおすすめです。

耐震診断を行ったうえで工事を提案する業者

耐震補強では、耐震診断を前提とすべきです。事前調査で図面の有無の確認や目視調査を行ったうえで耐震診断の必要性を判断し、専門家が2〜8時間ほどかけて調査を行います。

そのため、突然訪ねてきた業者や、調査当日にセールスを行う業者はおすすめできません。また、耐震工事が必要だとしても急いで契約を迫る業者も避けた方が良いでしょう。

実績があり、価格も相場で、さらにわかりやすい提案をしてくれる業者がおすすめです。

耐震補強は予防意識が大事です!

今回の記事では、古い家の耐震補強について詳しく解説しました。

新耐震基準で建てられた建物でも、「81-00木造住宅」と呼ばれる1981年〜2000年の間に建てられた建物は2000年6月の現行耐震基準が制定後の建物は耐震性に劣り、住み続けるには不安が残るため、耐震補強をする必要があります。

タイホウ建設が耐震に力を入れる理由

なぜ私たちは耐震補強の重要性を伝え続けているのか。

それは、タイホウ建設のある品川区豊町が、「災害に弱い地域」であるというのが大きな理由としてあります。

品川区には古い木造住宅が密集する狭小地エリアが多く存在します。このような場所でひとたび地震が起きたらどうなるのでしょうか。家屋の倒壊、大規模な火災、さらに住居を失った人たちは避難所生活を余儀なくされるでしょう。

人口の多い地域では避難所となるような施設が十分に確保されない可能性があることや、もし避難所が確保されたとしても衛生面やプラバシーの問題などからストレスの多い生活になり、心身共に疲弊していくことが予想されます。

しかし、災害時に家が倒壊しなければ「在宅避難」ができます。

「在宅避難」は行政も推進していますが、私たちも災害時こそ避難所ではなくご自身が一番安心できるご自宅で、少しでも日常に近い生活を送ることが大切だと考えております。

タイホウ建設は日頃から“地域密着”を打ち出していますが、私たちは地域の一員として、そして建築のプロとして、災害で倒壊しない家を一棟でも増やすことによって地域の皆様を守ることが使命だと考えております。耐震補強の重要性を地域の皆様が理解することが、防災に強い地域づくりの第一歩だと考えています。

タイホウ建設の6つのお約束

ここで、私たちタイホウ建設が大切にしている「6つのお約束」をお伝えします。

1 「大切にしているのは、人と人の絆。とことんお客様に寄り添う。」

地域密着型の工務店として人と人の絆を大切にし、お客様にとっての最良の住まいとは何かを共に考えます。

2 「災害危険リスクの高い地域だからこそ。地域防災ステーション宣言!」

災害危険度の極めて高い品川の城南地区において、大地震が起きても倒壊しない家を1棟でも多く提供します。そして、防災に関する情報の発信を継続的に行い、地域防災力向上のための拠点となるよう努めます。

3 「末永くお付き合いができる工務店。住宅が完成してからが一生のお付き合い」

お客様との本当のお付き合いは、家が完成してから始まります。定期アフター点検サービスはもちろん、ちょっとしたご相談にも素早く対応できるのが地域密着の最大の強みです。

4 「より身近なものに感じていただけるように。地域サービス活動に力を入れる。」

夏と冬に行う「ふれあいマーケット」や隔月で開催している「暮らしの改善教室」、そして地元の子供たちを対象にした「親子木工教室」「親子料理教室」など、地域の皆様と直接的に交流する機会を積極的に設け、地域の絆を深めています。

5 「安心安全×高品質×デザイン。こだわりぬいた住宅を提供。」

タイホウ建設は、新築からリフォームまで幅広い工事に対応しており、安全性・機能性・デザイン性、全てにおいて高品質な施工を提供しております。一般的な耐震補強工事では機能性を重視するあまり、デザイン性の提案が不十分なこともありますが、私たちはデザイン性にもこだわりを持ち、建築事務所とのコラボレーションによりきめ細かいプランニングにもとづいたデザイン性の高い耐震補強工事を実現しています。

6 「近隣への気配りを一番も大切に!タイホウ品質を守る職人集団。」

タイホウ建設の職人グループである「タイホウ匠会」は、「タイホウ品質」で現場マナーの徹底を図って参ります。清潔な服装、時間の厳守、明るい元気な挨拶など10項目の現場マナーを順守して、技術のみならず、社会人として尊敬される職人集団を目指します。

タイホウ建設に耐震工事をお願いしたお客様事例

タイホウ建設に耐震工事をお願いしたお客様の事例をいくつかご紹介します。

品川区N様

耐震工事の経緯、概要:

築60年ということもあり、「地震が来たらすぐに潰れてしまいご近所に迷惑がかかってしまうのではないか」との不安から、耐震工事を決断されました。基礎と土台をしっかりと補強し、さらに内装リフォームによって造り付けの収納を設けたので、地震によって家具が倒れる心配もなくなりました。

品川区T様

耐震工事の経緯、概要:

T様がお住まいの家は築53年とのこと。東日本大震災では大変揺れて怖い思いをしたこともあり、「また大きな地震がきたら、この古い家はどうなるのだろう」と不安に思い耐震工事を決断されました。最初は建て替えを希望されていましたが、建て替えにするとセットバックで建坪が今までよりも小さくなってしまうので、フルリフォームに変更されました。

耐震補強と合わせて行ったフルリフォームでは、将来介護が必要になった時のことを考え、室内や玄関まわりをフラットにしました。一番心配していた地震による揺れですが、耐震補強によりほとんど気にならなくなったそうです。

耐震補強についてお気軽にご相談ください!

タイホウ建設は、全国で最も耐震診断、補強工事の実績をもつ「日本木造住宅耐震補強事業者協同組合」(※木耐協)に所属して、日々研鑽を積んでいます。また、実際のご相談に対しては、まず無料の現地調査を行い、今後の方針をお客様と決めていくところから始めています。

今お住まいの住宅の耐震性に少しでも不安がある場合はお気軽にご相談ください。

 

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