新耐震と現行耐震の違いを知って我が家の耐震補強を早めに行いましょう!
投稿日:
カテゴリー:リフォームコラム
東京都品川区に根差して60年、地域密着型の工務店として安心・安全な住まいをお届けするタイホウ建設です。
最大震度7を観測した能登半島地震から早2ヶ月が過ぎようとしています。連日ニュースなどで映し出される現地の様子から私たちは地震の脅威をあらためて感じるとともに、日常的に使っている道路や橋、建築物がいかに脆弱であるかを知ります。特に家屋の倒壊に関しては、本来私たちを自然災害から守るべき“家”という存在が、一転して命を奪う凶器にもなるという事実を見せつけられ、少なからず不安を抱いた方はいるでしょう。
災害時に“家”が本来の目的である“命を守る家”として機能するために、日頃から私たちには何ができるでしょうか。
地震対策の第一歩。まずは自分で家の耐震情報をチェックしてみよう!
「わが家は大丈夫だろうか……」、ニュースなどを見るたびに心配になりますよね。しかし、不安になるのは情報不足から。まずはわが家の耐震性を知り、然るべき対策をとって不安の種を少しでもなくしましょう。
以下はご自分でできる耐震診断です。10の項目に答えると専門家による耐震診断が必要かどうかを判断することができます。
—建てたのはいつ頃ですか?
新築は平成12年(2000年6月)以降→1
新築は平成12年(2000年6月)以前→0
よくわからない→0
—いままでに大きな災害に見舞われたことはありますか?
大きな災害に見舞われたことはない→1
床下浸水・床上浸水・火災・車の突入事故・大地震・崖上隣地の崩落などの災害に遭遇した→0
よくわからない→0
—増築について
増築していない。または建築確認などの手続きをして増築した→1
必要な手続きを省略して増築し、または増築を2回以上繰り返している。増築時、壁や柱を一部撤去するなどした→0
よくわからない→0
—傷み具合や補修・改修について
傷んだ箇所はない。または痛んだところはその都度補修している(※傷んだ箇所とは主に外壁や基礎のヒビ割れを指します。)→1
老朽化している。腐ったり白蟻の被害など不都合が発生している→0
よくわからない→0
—建物の平面はどのような形ですか?(1階の平面形状に着目します)
建物の形はほぼ長方形、複雑な形ではない→1
どちらかというとLの字・Tの字など複雑な平面→0
よくわからない→0
—大きな吹き抜けがありますか?(1辺の長さが4.0m以上かどうかに着目します)
一辺が4m以上の大きな吹抜けはない→1
一辺が4m以上の大きな吹抜がある→0
よくわからない→0
—1階と2階の壁面が一致しますか?
2階外壁の直下に1階の内壁または外壁がある。または平屋建てである→1
2階外壁の直下に1階の内壁または外壁がない→0
よくわからない→0
—壁の配置はバランスがとれていますか?
1階外壁の東西南北どの面にも壁がある→1
1階外壁の東西南北各面の内、壁が全くない面がある→0
よくわからない→0
—屋根葺材と壁の多さは?
瓦など比較的重い屋根葺材であるが、1階に壁が多い。または、スレート・鉄板葺・銅板葺など比較的軽い屋根葺材である→1
和瓦・洋瓦など比較的重い屋根葺材で、1階に壁が少ない→0
よくわからない→0
—どのような基礎ですか?
鉄筋コンクリートの布(ぬの)基礎またはベタ基礎・杭基礎→1
その他の基礎→0
よくわからない→0
以上の10項目の合計を計算し、全て満たしている「10」の場合はひとまず安心と考えてもよいでしょう。合計が「7」以下の場合は、一度専門家による耐震診断をした上で、何らかの耐震補強を検討する必要がありそうです。
参照:財団法人日本建築防災協会「誰でもできるわが家の耐震診断」
https://www.city.daito.lg.jp/uploaded/attachment/12096.pdf
地震の時の家屋の倒壊を防ぐには耐震性を高く保つことが必須
地震大国の日本では、国をあげて建物の耐震化を推進していますが、まだ十分に実現されているとは言えません。耐震化は国や自治体からの働きかけだけではなく、そこに住む人の当事者意識が重要であり、住人自らが率先してご自宅の耐震診断を行うことが耐震化の第一歩となります。
地震による家屋の倒壊は、その時に命を落とさなかったとしても、そこに住むことができなくなり避難所生活を余儀なくされます。しかし、本来であれば安心・安全が守られるはずの避難所生活は、実際にはプライバシーの確保が難しいだけではなく感染症や犯罪のリスクなど様々な問題を抱えています。このように家屋の倒壊は直接的・間接的にも命を危険に晒すので、日頃から高い耐震性を保ち、いつ起こるかわからない自然災害に備えることが重要なのではないでしょうか。
新耐震なら大丈夫という誤解。阪神大震災、熊本地震、能登半島地震でも新耐震は倒壊している
耐震診断の根拠となる建築基準法は時代によって改正されています。特に1981年(昭和56年)には大きな改正があり、これを境に1981年以前の耐震基準を「旧耐震基準」、1981年〜1999年の耐震基準を「新耐震基準」と分けて考えるようになりました。
しかし、1981年〜2000年の間に建てられた「8100木造住宅」(ハチイチゼロゼロ)と呼ばれる建物は、新耐震ではあるものの2000年にさらに改定された現行耐震基準より耐震性能に劣っているということがわかってきました。
実際に阪神大震災、熊本地震、能登半島地震でも新耐震基準を満たしている家屋が多く倒壊しています。例えば今回の能登半島地震で被害状況が大きかった珠洲市正院地区における地震外力は住宅を大破させる規模の揺れとなっており、新耐震基準で増改築したと思われる住宅もかなりの損傷を受けています。(※「リフォーム産業新聞」2024年1月22日参照)
そう考えると、「新耐震基準の家だから大丈夫」という認識は誤りといっても過言ではありません。1981年〜2000年の間に建てられた新耐震の家も耐震化の対象として、耐震診断の際には、2000年6月以降の「現行耐震」を基準として考えるべきではないでしょうか。
新耐震と現行耐震は何が違う?どちらを基準に考えればいいの?
現行耐震基準(2000年基準)は、1995年の阪神・淡路大震災の被害状況を受けて、新耐震基準をさらに厳格化して制定された基準になります。
新耐震基準から厳格化された主な内容としては以下になります。
・地盤力に応じた基礎構造の規定
・構造上主要な部分の接合部に金具の取りつけ
・偏りのない耐力壁の配置
木造住宅の耐震化を目的とした現行耐震基準は、住宅の土台となる基礎を最適化するために地面がどの程度の重さに耐えられるかを調べる「地盤調査」が事実上義務化となりました。
1981年の新耐震から約20年が経過して2000年の現行耐震基準が制定されたわけですが、その2000年から20年以上が経過した今となっては、今回の能登半島地震の被害状況なども踏まえてさらなる見直しがされるかもしれません。
耐震基準は時代とともに変わります。今は現行耐震基準が最新の基準ではありますが、今後見直される可能性もあるので、耐震基準に関しては常に最新の情報を気にするよう心がけましょう。
さらなる安心・安全のために。新耐震でも耐震補強をしましょう!
阪神大震災の被害状況を受けて現行耐震基準ができましたが、法律として基準が定められるだけではなく肝心の耐震化工事が進まないと意味がありません。
少し前のデータになりますが、2018年時点で、戸建て住宅で約81%、共同住宅で約94%、全体で約87%まで耐震化が進んでいます。さらに国は令和12(2030)年までに住宅の耐震化率100%を目指すと言っていますが、これらは全て新耐震基準の話です。
一方で、東京都はいち早く2022年12月24日に公表した「TOKYO強靭化プロジェクト」において、「2040年までに前述の8100を、現行耐震100%を目指す」と明記されています。具体的な取り組みや補助制度については今後公表される予定となっていますが、8100の耐震化に自治体も本腰を入れ始めたとして大きな転換点といえます。
そして、東京都の動きに合わせて品川区では新耐震基準化工事に対して助成金ができるようになったので、タイホウ建設でも積極的にお客様に制度のご案内をして耐震化工事の普及に努めています。しかしながら、実際の申請が年間に数件しかないので、今後も行政との連携で新耐震の家屋は耐震補強が必要という認識を広く共有していくことが耐震化の鍵となるでしょう。
<H2>耐震補強工事ならタイホウ建設にお任せください。
耐震化工事の普及には、国や自治体などの働きかけだけではなく、住む人の当事者意識も大切です。
タイホウ建設では地震による家屋の倒壊を防ぐために耐震補強工事を推進しています。
今お住いの家に工事をすることになるので、「一時的にどこかへ引っ越す必要があるのでは?」と思うかもしれませんが、部屋を分けたり時間帯などを分けたりしながら、住みながらでも工事を進めることによって工事中のお客様の負担を少なくすることも可能です。
現行耐震以前に建てられた家にお住いの方は、まずは一度耐震診断をすることをおすすめします。お住いの家の耐震性が気になる方は、まずはお気軽にタイホウ建設までご相談ください。